幸せになりたいけど 頑張りたくない

実家暮らしアラサー女のブログ。「言語化能力を鍛えるため」という大義名分で更新されるが中身はくだらない。たまにコスメ・映画レビュー。

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

いくらなんでも感想を書くのが遅すぎる。タイム・トゥ・ライトいつだったんだよ。映画が公開されてすぐ観に行ってすぐ感想をメモに殴り書きするまではいいのに、そのあとなかなか感想を書かない癖を直すのが来年の目標です…

 

というわけでダニエル・クレイグ主演の007シリーズ最終作。今回の007シリーズは全部観ましたがそれ以前のシリーズは未見。007に興味をもったきっかけはQ。そんな人の「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」の感想。

 

※以下ネタバレ注意

 

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ポスターもスタイリッシュ! 007公式サイトより

 

時代に即した007

まず何を一番に言いたいかって、

007で感動する日が来るとは思わなかったよね。

007は「アクション、カーチェイス、美女を楽しむ映画」だと思っているので、ストーリー面での期待は正直していなかったんです。でもね、ラストちょっとうるっときちゃったよ…*1

というのも派手にアクションかまして終わるんだろうなと思っていたのが、1作目「カジノ・ロワイヤル」でジェームズ・ボンドが心から愛した女性、ヴェスパー・リンドがかなり絡んでくるんです。本作のストーリをざっくり説明すると「ボンドがヴェスパーを失った過去を乗り越え、未来に向かって生きようとする」というお話で、今回の007シリーズのテーマは「ボンドが一人の女性を愛するまで」だったんじゃないかなぁ、と。他の007シリーズは観たことないですけど、ボンド=女は1回抱いたら終わり!ってイメージだったのでかなり意外だったし「時代だなぁ…」なんて思いました。「◯人斬り」でなく「一人の女性をどれだけ大事にできるか」が大事で、それができる男がかっこいいよねって考え方が、今の時代の価値観と合致しているなぁと。

ボンドの次に殺しのライセンス・00を授かったノーミが黒人女性というところにもすごく時代を感じました。人種差別問題への抗議は以前からあったけど、真っ先に思い浮かんだのはジョージ・フロイドさんの事件。映画の重要なポジションに黒人を起用したところに「Black Lives Matter」への賛同を感じずにはいられませんでした。差別発言をされたノーミの「Time to die(今がお前の死ぬ時だ)」からの反撃は最高にスカッとした

 

構図かっこよすぎしびれるぅ!

細菌研究所への侵入シーンと、序盤のカーチェイスがひと段落したときの構図が最高にかっこよかった。最近「構図かっこよかったらいい映画」って思いがちだし、かっこいい構図があればあるほど「映画館で観て良かった」って思う。

細菌研究所への侵入シーンは、画面の左半分にビルの壁、右半分に街のビル群が映っていて、左半分のビルの壁に街のビル群が反射しているんです。その美しい画面の真ん中に、研究所に侵入する部隊が上からすーって降りてくる不気味さが、いい…!「これから嫌なことが始まっちゃう」感がすごくいい。嫌なことが起こってくれないと007の出番ないから…!

イタリアの小さな街でボンドとサフィンの一味が車とバイクでカーチェイスを繰り広げて、広場に出たところで少し間があるんですよ、相手の出方をうかがう間が。その静けさが訪れた瞬間広場の鐘が鳴って、うひょ〜〜〜!!ってなりました。そんなタイミングで普通鐘鳴らないけどなるんですよ、007だから!もう構図の話は文章じゃ伝わらないからみんな映画館行こう!まだやってるから!※2021年12月5日現在(わざわざ公式サイト確認した)

 

やや疑問に思ったこと

あまり頭のよろしくない私でもさすがに「ん?」と思う部分がありまして。そのせいで映画がつまらなくなったってわけではないのですが、まぁこんな疑問もあったよってことで。銃が出てくる映画の登場人物は総じて至近距離から撃たれても弾が当たらない星のもとに生まれたと思ってるので、そこはツッコまない

本作の敵・サフィンは能面を着けてマドレーヌの家に行くわけですが、なんで能面だったのかなぁと。能面って嫉妬に狂った女性が狂気の果てに行き着く表情を表してるらしいので、それを男性であるサフィンが着けているのがちょっと気になりました。ちなみに般若が嫉妬に狂いまくってる時の顔で、それを経て能面に行き着くそうです。怖いよね。

マドレーヌの父に家族を殺されたサフィンだから、幸せそうなマドレーヌたちに嫉妬した、とも考えられるけど、インパクト重視で選んだのかな。能面がアップになるシーンはビビったしね。あれ子どもの頃に見たらトラウマになってた。

一番疑問だったのが、マドレーヌがそんなトラウマができた家に帰ったこと。誰よりも会いたくないサフィンが知っている場所に自分の大事な子どもを連れていくかなぁ。他に行く場所がなかったにしても、あの家よりは安全な気がする。それかボンドがわずかな手がかりをもとに自分たちを見つけに来てくれる可能性に賭けたか。母親が取る選択としては現実的でない気もするけど、まぁ、まぁ。

中盤あたりなんでサフィンがボンドの居場所を知っていたのかとか、サフィンがボンドに謝らせる理由とか、いろいろあるけど、いいんです、なんでもありえる007だから。007って「ドラえもん」みたく万能になんでも解決できる世界のお話だと思うんです。スタイリッシュにアドレナリンを噴出させる映画だと思うんです。だからいいんです。それに…

 

アナ・デ・アルマスちゃんの魅力大爆発

本作にちょっと出演するパロマことアナ・デ・アルマスちゃん。

もう〜〜かわいい〜〜〜!!

ブレードランナー2049」観た時も同じこと思った。今回はキューバの凄腕エージェント役。ボンドと落ち合った際「合言葉は?」と聞かれて「緊張して忘れちゃった☆」って素直に言っちゃうお茶目な女性(ここの場面うろ覚えなので違ってたら教えてください)。007シリーズに出てくる女性って「頭が切れるデキる美女」ってイメージがあるので、パロマちゃんはかなりめずらしいキャラクターな気がする。パロマちゃんのスピンオフ、作ってほしい…

キュートだけどその後の戦闘シーンでは華麗に敵をなぎ倒していく強さと度胸はしっかりあって、

完全にハート撃ち抜かれました。

www.youtube.com

どれだけキュートなのかは私の文章読むよりこの動画の0:34の笑顔を見てほしい。とびっきりにかわいいから。約束する。保証もする。

上にも書いたように007にはド派手なアクションを求めている私は、ボンドとパロマちゃんの共闘シーンにテンションブチ上がりました。最高!!!

*1:「泣ける」の一言でその映画の良さを表現するのだけはしたくないし、「泣けた=良い」とは思えないし、そもそも泣いてはいないので「泣けて良かった〜」なんて死んでも書くつもりはないのだけはわかっていただきたい