「今年こそ冬のコートを買う」と決めたのは確か2年前、いやもっと前だったかもしれない。6、7年前に買ったコートを着過ぎて、ポケットのすそや袖など、よくこすれるところの生地が摩耗したのか、テカテカ光を反射するようになったのだ。コートの生地は多分ウールで、光沢感もなければ光を反射する素材でもない。冷静に見てみると「もう寿命過ぎてるでしょ。休ませてあげなよ」としか思えなかったのでコートを探し始めた。
そのコートは定番品と思われ、きっと同じデザインのものが今年も出るはず、と余裕しゃくしゃくで買ったお店に行った。私が着ているのと微妙にデザインが変わっていた。店員さんに聞いてみると、どうも私が買った年を最後にデザインが少し変わったらしい。「少し」と書いたけれど、私にとってはとても大事な部分でなんで変えたのか理解できなかった。おこ。
全く同じコートはもう手に入らないらしいとようやく受け入れ、他のコートを探すもなかなか「これ！」と思えるものが見つからず、気づいたら2年経っていた。着ているコートが明らかに寿命を迎えてから2年。その間私はそのコートを着続けた。さすがに恥ずかしかった。
もう1着コートを持っているけどボタンがないため、正面から強風が吹いてこようものなら露出魔顔負けのご開帳となる。寒い。そして何も悪いことしてないのに変態になった気になる。おまけにロング丈なので、脱いだコートをイスにかけると床にコートがついてしまう。半分に折ってからイスにかけるのもちょっと手間だ。着るときどっちが頭なのか毎回探すはめになる。ちょっと、ちょっとだけ面倒。
そんな2年を経て、「今年こそは！」と過去2年間とは比べ物にならない熱意でコートを探してきた。そして見つけた。ミドル丈でナイスな色でいろいろ着込めるコートを。長かった。そして旅路の途中でブーツとシャツとネイルとアクセサリーも買った。寄り道って楽しいよね。
買い物を早めに切り上げるつもりが長引き、いよいよコートを買う段になって疲れ切ってしまい、店員さんに同じことを2回も説明させてしまったり、前そのお店に行った時も気になっていたピアスをもう1回耳にあててしまって「前も気になってましたよね」と言われて「もう買えばいいのに」と自分でも思ったけどお金使い過ぎてこわかったので結局戻して恥ずかしかったりと、いろいろあった。もう最後の方店員さん私の相手するのめんどくさかったと思う。優柔不断ですんません。おかげでいいコートが買えました。ありがとうございます。
そんなわけで文字通り両手にいっぱい荷物を抱えて帰宅した。疲れた。でもこれであと3ヶ月は買い物しなくていいってぐらい、いい買い物できた。最高。幸せ。でもやっぱりピアス買っちゃおうか迷ってる。
早くブーツ履きたいしコート着たい。もう10月なのに暑くね？夏じゃん、となかなか去らない夏にイライラしてる。でもいいや。ブーツとコートの季節早よ。
