幸せになりたいけど 頑張りたくない

実家暮らしアラサー女のブログ。「言語化能力を鍛えるため」という大義名分で更新されるが中身はくだらない。たまにコスメ・映画レビュー。

限りない喜びは遥か遠く 前に進むだけで精一杯 〜歯を白くしたいだけなのに〜

予約していたホワイトニングのカウンセリングに行ってきた。実際見てもらわないとわからないもので、ホームページを見て「大体これぐらいかな」と予想していた予算の10倍の金額を提示された。「絶対ホワイトニングする!」と決めていたが、さすがに10倍のお金がかかるとなると即決できない。契約せずにのこのこ帰ってきた。

契約せずに帰ってきたのは金額以外にも理由がある。担当してくれたお姉さんがやたら明るく、こちらまで明るく振る舞わなきゃいけないような息苦しさをおぼえたのと、本題に入るまでの話が長く「そういうのいいから早く説明してほしいな」と少しイライラしてしまったのがそれだ。「ホワイトニングをすると、どんないいことがあると思いますか?」と聞かれ、「ホワイトニングにメリットを感じてここに来た人にその質問をする意味ってなんですか?」と質問で返したくなった。こういう対応をするよう言われてるんだろうけど、事務的な対応希望です。むしろ塩対応の方が気がラクです。

こういう「あなたのことを思ってますよ」「あなたに興味がありますよ」というフレンドリーな対応がすごく苦手だ。こういう対応をされるたびに「早くこの時間終わらないかな」と意識が明後日の方向に行ってしまう。

特にひどかったバイトの面接は今でもおぼえている。志望動機とか働ける日数とかの本題に入る前、面接官に趣味を聞かれたので「読書です」と答えたら、おすすめの本を聞かれた。そのとき読んでいた本のタイトルを答えると「へ〜、おもしろそうですね!今度、読んでみます」と棒読みのお手本といえるぐらいの調子で答えられた。「お前絶対読まねぇだろ」と頭の中で突っ込むのに気を取られて、愛想笑いもできなかった。「素面でシラケるとこんなに白々しいのか」と思った直後、「今『しら』って何回出てきたんだろう」とつまらないことを考えてますますシラケた。

表面的な対応はされたらすぐわかるので、せめて演技力上げるかがんばって心をこめるかするのが礼儀だと思う。こういう対応は時間のムダでしかなく心底不愉快なので、たとえホワイトニングの金額が納得できるものだったとしても「ちょっと考えたいな」と思っただろう。諦めがつくぐらい金額が高くて良かったかもしれない。

 

そもそもホワイトニングをする前に矯正をしようと思っていた。私が希望しているホームホワイトニングは、歯の型を作って、型に薬剤を入れて歯にはめて歯を白くするというもので、歯並びが変わると型を作り直さなければならない。型を作り直すぐらいなら先に矯正をしようと少し前に矯正の相談に行った。

私が変えたいのは歯並びよりも横顔だった。矯正を考えたのは「矯正で横顔や口元が変わる人もいるらしい」と聞いたのがきっかけだった。期待して、るんるん気分で相談に行った。対応してくれた方はとても親身に話を聞いてくれて、私がなりたい横顔になるには矯正では効果が望めず、下顎の骨を切る手術が最もいいと教えてくれた。手術に保険が適用されるかはわからず、費用は100万円以上。一週間ほど入院が必要だが、手術のついでに歯並びも治せるとのことだった。

「手術を受けたい」と思ったものの、「100万円」「骨を切る」にすっかり怖気づいて、矯正についても手術についても考えなくなっていた。もしこの手術を受けて顔のコンプレックスがなくなるなら、病院に行って話を聞くぐらいはしていたかもしれない。そうしなかったのは、私の顔のコンプレックスが数え切れないほどあるからだ。

ときどき鏡を見ながら整形のシミュレーションをすることがある。おでこを広くして丸みのある形にして、小鼻を小さくして鼻筋をすっと通して、佐々木希みたいなぱっちり二重にして、目から口までの長さも短くして、上唇の厚さをうすくして唇全体をもう少し横に伸ばして下唇と口角のバランスも整えて…

キリがないのだ。100万円払って勇気を出して骨を切っても自分の顔を好きになれないなら、なんの意味があるのだろう。

 

ホワイトニングのカウンセリングの帰り道、以前相談したのとは別のクリニックに電話して、矯正相談の予約を入れた。ここでもダメなら矯正は諦めてホワイトニングに金をつぎこもう。今日行ったところとは別の、良さそうなホワイトニングのクリニックも見つけたし。

それにしても歯を白くしたいだけなのに、矯正→骨切手術→ホワイトニングの相談、とえらい遠回りしていて、そりゃクタクタになるわと自分でも思った。「ホワイトニングしようかな」って考え始めたの、多分去年。私の歯、いつ白くなるんだろう。