幸せになりたいけど 頑張りたくない

実家暮らしアラサー女のブログ。「言語化能力を鍛えるため」という大義名分で更新されるが中身はくだらない。たまにコスメ・映画レビュー。

無料には気をつけようって話

ZOOM株が高騰しているらしい。

外に出れない今、「ZOOM飲み会」なるものが開かれたり仕事のミーティングでも使われたり「ZOOM」という言葉を一日に一回は見かけるようになった。

仕事のクライアントを探しているが、対面での異業種交流会はもちろん開催されておらず、SNSでの投稿にも反応がなく焦った私は「最後の砦」とひそかに呼んでいた無料ZOOM交流会に参加した。

Googleで「無料 ZOOM 交流会」などと検索すればわんさか出てくるものと思っていたが、すぐに開催されるものは一つしか見つからなかった。名前と連絡先を記入し、ページをスクロールすると一番下に「紹介者」を記入する欄があった。「紹介者?」と思い、申し込みフォームの一つ前のページに戻ると「紹介者に××とご記入ください」とある。

 

「紹介料もらえるシステムなのかな。なんかあるな」

 

そう思ったものの、このページのおかげで参加できるのだからと名前を打ち込んだ。

 

初めて参加したZOOM交流会は、思っていたよりずっと楽しかった。運営と司会の方が話題を用意してくれていたのと時間管理をしっかりしてくれたおかげで、気まずい沈黙が流れることはなかった。

その後、参加者限定コミュニティに招待され「コミュニティの使い方を説明したいから」と運営の方と個別ZOOMをすることになった。

 

うっすら予想はしていたが、やはりビジネスのお誘いだった。正しくは、有料ビジネスコミュニティ入会のお誘い。紹介者の名前を記入するのも、思った通り紹介料が発生するからだった。

違法ではないし怪しい内容でもなかったが、なんだかピンとこないことを私の望みを一切聞かずにしゃべり倒された。愛想よく聞いていた私も、最後の方は画面に映っていないのをいい事に爪をいじりながらただ頷くだけとなった。

「そういうの興味ないので、じゃ」とサクッと切ることができなかったのが悔やまれる。相手の話を聞きながら自分の考えを発言できるようにならないと、ころっとだまされるんだろうな。自分の耳にミュート機能搭載できたらいいのに。相手の話と自分の求めているものがマッチしているか、考えながら聞いたらできるようになるのかな。

「ちょっと考えますねー」でZOOMを切った後、ものすごい疲労感がのしかかってきた。なるほどね、無料の理由がよくわかった。まぁ無理に勧誘されたわけじゃないから、後日断ろう、お疲れ。そう自分を労ってその日は寝た。

 

翌日、個別ZOOMを行った方からメッセージが届いた。昨日話された有料ビジネスコミュニティの詳細だった。最新のメッセージには「まずは無料ZOOM交流会を紹介して、人を集めるところから始めましょう!」とあった。

 

………いやいやいや、

 

参加するなんて言ってませんけど?

 

しばらく目を見開いたままパソコンの画面に向かっていた。一方的に営業をされただけの状態でこちらは何一つ得ていないのに、なんでそっちの言うこと聞かなきゃいけないわけ?私「参加する」なんて一回も言ってないのに、この人の頭の中では昨日の会話はどんな風に処理されてるの?人の時間奪っておいて「これやってね」って押しつけてくる相手と仕事なんかしたくないんだけど。

それをぶつけて昨日の時間と気遣いが報われるならいいけど、残念ながらもうどうにもならない。丁重にお断りのメッセージを送って、それきりだ。こんな相手にも礼儀正しく接する私、大人の鏡じゃない?

 

結局求めていたクライアントはSNSで見つけることができた。ホッとした。

思えばこれまで参加した無料のセミナーや講座は、宣伝とワンセットになっていた。そりゃそうだよね、お金払わない分こちらも応じなきゃね、とは思うものの、時間を盗まれた感をぬぐえない。

この数年、セミナーとか講座とかに参加することで、さも「何かやってる」「変わろうと行動してる」と思いこんでいたけど、実際そんな変わらなかったし「無料」がエサだとよーーーっくわかった。SNSに表示されたセミナー広告の「今なら5000円→無料!」の文字を、ようやく鼻で笑えるようになった。今まで宣伝された時間は高い授業料だったのだ、そう思わなきゃやってられない。

甘い言葉と一部の成功者の体験談に夢をふくらませ、忘れていた自分への期待を思い出すと、財布のヒモはゆるくなる。こういう時のためにお金は使うのだと自分に言い聞かせる。そうさせるように巧妙につくられているのだ。今まで失敗していなければ、大して変わらなかったという実感を得ていなければ「あの時お金を払って参加していれば…」なんてうじうじ後悔してたのかな。そう考えたら、今の自分の方がいいや。