今さらRadioheadの「Creep」にハマっている。
「トム・ヨークが女の子にフラれて作った曲」という話があるが、失恋より「美しい特別な人間になれないもどかしさ」に焦点をあてているように思う。
生まれながらに美しい人間というのが、ごく稀に存在する。
他人と自分を比べることがいかに無意味かわかっていても、いざ目の当たりにすると自分が無価値な人間にしか思えなくなる。
世界は美しい特別な人間とそうじゃない人間にハッキリ分かれている。
「あなたは世界に1人しかいないからそれだけで特別」なんてきれいごとでこの事実をひっくり返すことはできない。
個人的にトム・ヨークのルックスは最高だと思っている。それどころかド真ん中だ。
学歴もいいし、音楽の才能があることは世界が証明している。
しかし少し調べればわかるように、彼の人生は決して万人に羨ましがられるものではない。
ド真ん中と言っている私ですら、動画を見ていて一瞬真顔で引くことがあるぐらい動きが気持ち悪い。
そんな美しくない方の人間であるトム・ヨークが歌っているから、この曲は無視できない切実さを伴って人の心に届くのだ。
(というかそういう人間じゃなきゃこの曲は書けないのだけど)
何よりこの後ろ向きな曲によってバンドの知名度が上がった事実が、「美しくない方の人間であること」をより決定的にしているようで、同じ美しくない方の人間である私の胸を締め付けるのだ。